OSCEの課題
表に示した5つの領域は、薬学生が医療現場で参加型実務実習を実施する上で、実務実習開始前に技能・態度の修得度の確認が必須である項目を含んでいます。原則として、各領域に準備された複数の課題から1課題のみを実施します。ただし、「薬剤の調製」の領域には調剤に関する多くの項目が含まれており、基本的な調剤技能の修得度を確実に評価するために、計量調剤(散剤、水剤、軟膏剤)や計数調剤から2つの課題を実施します。したがって、1名の受験生あたり、5領域から6課題が出題されることになります。なお、1つの大学の受験生には同じ課題が出題されます。
領域 | 課題項目 | 実施課題数 |
---|---|---|
1. 患者・来局者応対 | ・薬局での患者応対 ・病棟での初回面談 ・来局者応対 ・在宅での薬学的管理 |
1課題
|
2. 薬剤の調製 | ・計量調剤(散剤) ・計量調剤(水剤) ・計量調剤(軟膏剤) ・計数調剤 |
2課題
|
3. 調剤監査 | ・調剤薬監査 ・持参薬チェック |
1課題
|
4. 無菌操作の実践 | ・手洗いと手袋の着脱 ・手指の消毒と手袋・ガウンの着脱 ・注射剤混合 |
1課題
|
5. 情報の提供 | ・薬局での薬剤交付 ・病棟での服薬指導 ・一般用医薬品の情報提供 ・疑義照会 ・医療従事者への情報提供(2020年度以降) |
1課題
|
出題方式
受験生には、あらかじめ評価される項目(学習・評価項目)および知識を得ておくべき医薬品リストが公開されます。OSCE実施においては、課題ごとに「ステーション」と呼ばれるいくつかの小部屋(ブース)が用意されています。
受験生は合図に従って各ステーションを順に回り、課題表に示された項目を定められた時間内に実施します(課題閲覧時間:1~2分、実技時間:5分)。患者とのコミュニケーション能力を評価する「患者・来局者応対」や「情報の提供」の課題では、標準模擬患者(Standardized Patient, SP)が患者役のシナリオに従って薬学生に応対します。

課題は、閲覧開始まで観ることができません。

複数の受験生が同時に試験を行うためにステーション内でさらに「レーン」に分割されています。


SPへの対応の様子を、2名の評価者が確認します。